FREE SLIDE CATCH REPORTSフリースライドレポート

IMG_0730(フックケース)

掲載日:2018年5月9日 / 釣行日:2018年 春

庄山 英伸

タイラバにおけるフック戦術とは?

 

春といえば大ダイの季節。私の住む九州では「のぼりダイ」ともいわれ、冬の寒さが和らぎ釣りがしやすくなることも相まって、釣り人にとっては楽しみな季節だ。
タイラバも今やメジャーな釣りモノの一つになってきたため、少し前までの「落として巻くだけ」のシンプルな釣り方だけでなく、さまざまな工夫やメソッドも進化しつつある。「たくさん釣りたい!」「より大きな魚が釣りたい!」と、釣り人の欲望は深まるばかり・・・。

今回は、最近の私の釣行で感じる、「フックへのこだわりや戦術」について少しご紹介したい。

 

フックの種類

 

まず、「タイラバのフックといえば?」 みなさん思い浮かぶであろう「チヌ」鈎について、少し語っておこう。
これまで各メーカーから発売されているタイラバのフック(アシストフック)には、ほとんどチヌ鈎が使用されてきた。なぜチヌ鈎でなければならなかったのか詳しい話は分からないが、恐らく「巻きの釣り」という、タイラバにとってスタンダードな釣り方において、「飲み込まれにくく、口元にかかりやすい」という形状特性から、チヌ鈎がタイラバにとって最適とされてきたと想像できる。ほどよくネムった(内側を向いた)ハリ先の角度と、ほどよく広いフトコロがその理由だ。また、エサ釣りで使用する場合、チヌ鈎でもヒネリが入っているタイプもあるが、ヒネリが入っていると、口の奥(のど側)でかかることもあり、マダイの鋭い歯でリーダーが切られたり、タイラバのスイミング姿勢にもかかわることから、ヒネリが入っているタイプは見かけない。

そのチヌ鈎。私の使い分けとしては、サイズによるフトコロの広さの違いや線径(太さ)の違いを考慮しハリサイズを使い分ける他、フッ素コーティングや上黒といったコーティングによる違いも意識して、その時々でフックを使い分けている。

 

 

釣り方にみる、フックタイプセレクト

 

タイラバにおいて、「どのタイプのハリを選ぶのか?」について、私は「魚のどこに・どのようにハリが刺さるのか?」を意識している。
季節や状況によりハリがかりする位置や深さはさまざまだが、例えば春の大ダイなどは、ハリサイズが小さく細軸を使用した場合、比較的皮一枚でかかってしまい、貫通できていないことが多い。また、マダイの食いが立っており、アタリとともに飲み込まれてしまう場合などは、しっかりと口の中でハリを滑らせて、クチビルの真ん中(正中線)にかけることが理想だ。

スタンダードな「巻きの釣り」で釣る際、しっかりとクチビルにかけることを前提として、釣れるマダイのアベレージサイズにあったハリサイズを選ぶことはもちろん、先に述べたように口の中でハリをうまく滑らせ、フッキングできる“ハリ先がややネムった”チヌ鈎はおススメだ。ハリサイズに関しては、一般的な目安ではあるものの、20~30cmのいわゆる「手のひら」サイズが釣れている時は5~6号サイズ、50~60cmの中型・大型以上は6~8号といったサイズを選ぶとよいだろう。

もう一つ、最近新たな釣り方として注目されている「フォールの釣り」においては、フッ素コーティングがされてない比較的大きなサイズのフックの方がよい場合がある。「フォールの釣り」はフォール時のマダイのアタリを敏感に感じる釣り方だが、必ずしもマダイがタイラバを口にくわえているとは限らない。ヘッドの後ろを追従し落下していくラバー・ネクタイにじゃれつく形で、マダイのエラの外やウロコにかかっていることが多いからだ。そのため、フックはより大きいサイズの方がかかりやすくフックアップに優れていると考える。

 

 

こだわりのフックセッティングはこれだ!

 

ハリのサイズ、フトコロの広さ、コーティング、線径などは、それぞれにメリットとデメリットがあり、一概に「この組合せがベスト!」と言えるものではない。状況に応じてセッティングを変えて、その時最適な組合せを見出していただきたい。ここでは、私のこれまで培ってきたノウハウの一部を紹介させていただく。参考になれば幸いだ。

アシストフックは、おおよそ2本のハリがセットされていることが多い。これを「段差バリ」と呼ぶが、これら段差バリのハリとハリの距離やヘッドからハリの距離といったもの、そして先でも述べてきたがハリのサイズを変えることで、より状況に合わせたセッティングとなり、そのこだわりがまた面白いところだ。
私はスタンダードな考えとして、「ネクタイの動きを邪魔しない」セッティングを心がけており、特に刺さりの鋭いフッ素コーティングフックを使用した場合、刺さりの良さからアシストフックが長いとネクタイの先端を拾って絡むことが多い。こうなってはタイラバ本来のアピール力を損ねてしまうため、アシストの8の字結び箇所(ヘッドの付け根にくる箇所)からハリ先までを5cm程度にとどめるようにしている。また、ヘッド側(1段目)のハリを6号、先端側(2段目)のハリを7・8号にするなど、ハリの自重を変えてあげる(先端側を重くする)ことで、フックをネクタイから離しネクタイに絡みにくくなるように工夫している。

また別のシチュエーションとして、マダイがヘッドにバイトしてくる(アタッてくる)場合などは、あえてヘッド側に1段目のハリを詰め(8の字から5mm)、ヘッドにアタッてきたマダイをかけやすくするセッティングなども行っている。更に「ドテラ流し」の釣りにおいては、船からタイラバの距離が取れ、一定層を長く引けるメリットがあるものの、同時に海底を引きずる時間も長くなる。そのため、2段目のハリが海底にこすれ、ハリ先が鈍(なま)ってしまうことが考えられるため、2段目のハリをやや自重の軽いものに変えて浮き上がりやすくしたりもする。

これといったベストなセッティングをお伝えするのは難しいが、状況にあわせてセッティングを変えてあげることで、更なる釣果へとつながることは間違いない。

 

 

 

その他、タイラバのフック戦術について、例えばアシストラインそのものの材質の違いがタイラバのスイミング姿勢やフッキングに影響あることや、サバ皮のついたアシストフックが実はスイミング時にフックが安定し使いやすいことなど、まだまだお伝えしたいことは多々あり、私のこだわりは尽きない。

 

進化するタイラバゲームにおいて、確かに「落として巻くだけ」という釣りの入門に相応しい間口の広さととっつきやすさがある反面、こだわればこだわるだけの奥深さがあるのも事実。エキスパートを目指す方のステップとして、これから「ハリ」にもこだわってみてはいかがだろうか?